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統合医療でがんに克つ  Vol.37よりQ&A

2017年6月26日  投稿者:Simonton Japan


こんにちは。
認定トレーナーの川畑のぶこです。
 
Q:
闘病生活3年目になります。
これまで西洋医学に限らず、代替療法や民間療法など、
さまざまな治療に取り組んできましたが、
症状はある程度コントロールされており、
日常生活に支障はないものの、
決して理想的に改善傾向にあるというわけではありません。
そろそろ治療ばかりの日常生活にも煮詰まってきた感があり、
この状況を脱却したいなと思っております。
 
じつは私は旅行が大好きで、病気になる前は、年に数回
定期的に海外旅行に行っていました。
旅先では開放的で自由な感覚があり、それが好きなのですが、
病気になってからは全く旅行に行っていません。
今、また旅に出たいという気持ちが強くなり、計画を立て始めましたが、
家族や周囲が病気のことを心配して賛同してくれません。
やはり、病気を克服するまでは、治療に専念するべきなのでしょうか。
—————————————–

A:
闘病生活も3年目となると、いろいろな思いが出てくるかと思います。
同時に、さまざまな経験から多くを学んでこられたことと思います。
治療を含め、そのすべての学びは決して無駄ではなく、
これからの未来に役立つということを知っておいてください。
 
さて、旅がお好きだということ。
とても素晴らしいことだと思います。
おっしゃる通り、旅は私たちを日常の束縛やしがらみから
離れさせてくれて、自由にしてくれたり、
未知なるものに触れて、心をときめかせてくれたりします。
旅は私たちの好奇心を大いに満たしてくれる経験です。
 
理想的に改善はしていないとのコメントでしたが、
このように、病気や日常から少し離れて、
自分自身の自由な時間を持ちたい、
または好奇心を満たしたい、という思いが出てきたこと自体、
精神的には大きな進歩ではないかと思います。
病態だけを見るのではなく、全人的な癒しという観点からすれば、
理想的な改善といえるのではないでしょうか。
ぜひ、ご自身の今の状態を肯定的にとらえてほしいと思います。
 
私の師であるサイモントン博士は
「遊び心を忘れるな」と、常に言っていました。
そして、病気になったときは、より遊び心は大切だと言っています。
遊びは病気になったときに最初に取り組むべきことで、
最終的に帰ってくるところでもあるとまで言っています。
 
ところが、私たちの社会は、この「遊び」に対して非常に偏見的です。
遊びは非建設的でくだらないモノであり、
人生や世の中にさして役に立たないもの。
あるいは、よほど時間が余ったときだけ行うもので、日常生活の中での
優先順位は最も低いものなどといった見方をされがちです。
多くの人は遊びに対して罪悪感を抱くのではないでしょうか。
仕事や勉強をおろそかにしてまで遊ぶべきではない、という姿勢が
標準的ではないかと思います。
ところが本当にそれは正しいのでしょうか?
 
私が出会った患者さんで、とても印象深い方がいます。
彼女は卵巣がんで「余命数ヶ月」と宣告された人で、
彼女の医療チームのある医師は「余命数週間」とも言ったそうです。
そのような医学的診断に反して、彼女は結果的にその後20年以上生き続けるのですが、
常に遊びを忘れませんでした。
心にときめきや喜びがあるときというのは体調も良くなり調子を取り戻す。
ただし、調子が良くなりすぎると調子に乗って自分のケアを忘れ、
仕事を頑張りすぎたり、他者を満たすことばかりにエネルギーを消費したりしては、
また再発するというパターンを何度か繰り返しながらも、
病気をうまくコントロールして人生を謳歌していったのです。
 
彼女は再発を「本来の自分に帰りなさい」というメッセージを伝える
バロメーターとしてうまく使っていました。
そしてそのメッセージを受けるたびに「遊び」を取り戻すのです。
それが自分の自然に帰るもっとも手っ取り早い方法だと知っているからです。
 
彼女は乗馬が好きだったそうで、馬に乗っているときは無心になれ、
病気や日常から解放されて清々しい気分になれると言います。
診断はくだっているかもしれませんが、元気な状態だとのことです。
このことが自分にとって必要であり重要であるということを知っていましたので、
定期的にこの乗馬を日常生活に取り入れていたわけです。
 
ところが、彼女の周囲はどうかといえば、
決して全員がこの行動に同意しているわけではありませんでした。
ある日、親しい乗馬仲間が再発を宣告された彼女に向かって
「こんなことをしている場合ではないのでは?
 もっと病気のことを深刻にとらえたらどうなのか?」
と迫ったそうです。
そこで彼女は馬から降り、その友人に向かって歩み寄り、
目の前で、「私はいつ死んでもいい準備ができている。あなたはどう?」
と伝え、その友人を乗馬仲間のリストから消したそうです。
 
彼女のエピソードからわかる通り、他者は遊びの価値を理解していません。
残念ながら私たちの社会には、遊びの重要性を教育する仕組みがないのです。
そこで他者の言う通りに遊びを我慢したところで、
その人が自分の人生の責任、健康や幸せの責任を取ってくれるわけでもありません。
人生の優先順位は自分自身にしかわかりません。
人々は遊びの価値を教育されておらず、理解していないということを知って、
自分にとって何が大切かを判断できるのは自分のみだという賢い姿勢を
育んで欲しいと思います。
 
遊びがあるとき、私たちはとてもクリエイティブで前向きになれます。
決して物質的、または経済的な生産性を高めることはしていないかもしれませんが、
精神的、そしてエネルギー的な生産性を大いに高めています。
そしてこのことは、私たちが人生の困難や課題に向かうエネルギーを充電するのに
多いに役立っているのです。
旅が自分の心を満たしてくれるのならば、それをすることによって、
病気と効果的に向かい合うための新たなエネルギーをも与えてくれるととらえてみてはどうでしょうか。

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◆執筆者プロフィール◆

 川畑のぶこ(かわばたのぶこ)
(サイモントン療法
 認定トレーナー/トレーニングディレクター)

 家族と沖永良部島の海をこよなく愛す
 サイコセラピスト

 座右の銘:Breathe & Smile ♪

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