ブログ Blog

患者の心に希望を芽吹かせるものを切り捨ててはいけない

2017年9月30日  投稿者:Simonton Japan


おはようございます。今朝は帯津三敬病院名誉院長であり、
サイモントン療法協会会長でいらっしゃる帯津良一先生からの
メッセージをお送りいたします。
(『統合医療でがんに克つ』掲載記事)
  
==============
  
◆固定観念に縛られている現場の医師たち
  
西洋医学的ながん治療には、
様々なものがあります。
外科的手術、
抗がん剤の投与、
放射線治療・・・。
  
現場の医師は、
それら西洋医学の治療法が
今できる全てのことだと
思い込んでいるような気がしてなりません。
  
がんは謎だらけ、
わからないことに関してはわかっていることだけ、
つまり科学的に証明されていることだけに限定し、
がんと闘おうとしているのです。
  
たとえば、次のようなケースがありました。
  
肺がん患者である男性・Aさんが、
徹底的に西洋医学の治療を受けた後に、
主治医からこう宣告されました。
「もうやるべき治療がないので、
あなたはホスピスに行かれたほうがいいですね」
  
ここでいうホスピスとは、
末期がんの患者さんが
少しでも苦痛から解放され、
精神的に安らぎを得て、
旅立っていくための施設です。
  
もちろん、そういったホスピスの
存在意義はとても大きいです。
しかし、主治医からホスピス行きを
勧められた患者さんは、
その言葉を「死の宣告」として
受け取ってしまいます。
  
西洋医学的になすべきことがないにしても、
それを直截的に患者さんに告げるのは、
医療者側の姿勢として
正しいものなのでしょうか?
少なくとも、私は疑問を持っています。
  
Aさんは、主治医の言に従って
ホスピス入りを考えました。
しかし、本人は
まだ元気に街を歩くこともできるし、
食事を摂ることもできます。
そこで、私の病院にやってきたのです。
 
「主治医から『もうやる治療がない』
 と言われたのですが、
 自分としてはまだできることが
 あるような気がして・・・」
  
それが、Aさんの切なる思いでした。
主治医から受けた「死の宣告」を
自ら覆そうという気概が、
Aさんから感じ取ることができました。
  
この背景には、
入院していた病院において、
次のような体験があったからだそうです。
  
その病院に入院している間、
Aさんは、治療の合間に病室で
自ら覚えた呼吸法を行っていました。
せっかく健康法として習得した呼吸法なのだから、
それでがんが治ると思えないにしても、
やらないよりはやったほうがいいと考えたそうです。
  
しかし、その呼吸法を行っているとき、
たまたま病室に入ってきた主治医から
このように言われたそうです。
  
「あ、呼吸法ですか・・・。
 どうぞ、続けてください。
 でも、そんなことしても効きませんよ」
  
たしかに、呼吸法ががん治療に有効だという
科学的検証はありません。
しかし、効かないという科学的検証もないのです。
  
この医師の発言は
自分の患者さんに対する発言として穏当を欠き、
医師と患者という関係の中で
明らかに逸脱した行為だという気がします。
  
つまり、
「科学的根拠があるもの以外は、
 治療法としてすべて無意味だ」
という固定観念に縛られている
現場の医師の典型をみる思いがするのです。 
  
こうした例は枚挙に暇がありません。
  
◆医療現場の歪みを修正しなければ、
 医療は患者から離れてしまう
  
私が懇意にしている男性・Bさんが
上咽頭がんに罹患し、
相談に来たことがありました。
私の専門領域ではなかったので
知り合いの病院を紹介し、
Bさんはそこで治療を受けることになったのです。
  
Bさんは、治療後に仕事に復帰しました。
その後、私の病院を訪ねてきて、
漢方薬を服用することを希望していました。
そこで私は、彼に合った漢方薬を
処方することにしたのです。
  
それからしばらくして、
治療を受けた病院で定期検査を受けた際、
こんなことがあったそうです。
  
内視鏡検査をしていた医師が、
「おかしい」「おかしい」と
首を傾げていました。
  
以前に治療のすんでいる箇所と
異なる箇所にあった、
小さな病巣が消失していたのです。
その医師にとっては
「あり得ないこと」「考えられないこと」
だったようです。
  
検査後、Bさんが医師に
病状がよくなっているのかと尋ねたところ
「そうとしか言えないのだが・・・」
という答えが返ってきたそうです。
  
そこでBさんは、
漢方薬を飲んでいること、
おそらくその成果で
病巣が消失したのではないか
ということを医師に話しました。
  
するとその医師は
「そんなわけないですよ」と
笑いながら断じたと言います。
  
ここにも「科学的根拠」を金科玉条としている
医師の典型的な姿が見て取れます。
  
Bさんに漢方薬が奏効したのか否かは、
正直言ってわかりません。
ただ、がんに漢方薬が効いたケースは、
中国にはたくさんあるし、
私の病院でも多数経験しています。
  
ですから、科学的根拠はひとまず横に置き、
患者さんが漢方薬の効果を
感じているのであれば、
「そうですか。効いて本当によかったですね」
と言えばいいのではないでしょうか。
  
そのような医師との会話を持つだけで、
患者さんはとても嬉しい気持ちになるものです。
そうなれば、その喜びが
免疫力の向上に繋がり、
病状が良い方向に進む期待が
持てるではありませんか。
  
がんとの闘いは
チームワークや連帯が大切です。
家族や友人、知人、そして医療者は
患者さんの気持ちを
解きほぐすような関り方をすべきです。
  
そのようなチームワークができあがれば、
現段階の治療法でも
相当な延命効果が期待できるはずです。
  
現在のがん治療の歪んだ現場風景を
早急に修正しなければ、
医療はますます患者さんから
遠いものになってしまう、という気がします。
  
◆ネガティブな気持ちを軽減した心と
 死生観が絡み合えば好結果をもたらす
  
先程、呼吸法について述べましたが、
私の病院で毎日のように教室を開いている気功も、
「調息」といって呼吸法を重視しています。
私は、その気功を
「生命場を整え、
 自然治癒力を発揮させるもの」
と患者さんに説明しています。
  
「生命場」とは、
体内の臓器と臓器の間にある、
何もない空間です。
中国医学では、
その場に生命の本質があるとされています。
  
図式的に言えば、
心臓や肝臓、腎臓などの各臓器が
生命場に浮かぶ形で成り立っています。
  
私は、その生命場こそが
「自然治癒力の源」だと捉えています。
  
その生命場を整える気功に対し、
一心に取り組んでいる患者さんの姿は、
自身ががんを抱えていることで生じてくる
不安感や恐怖感、気持ちの落ち込みから、
その瞬間解放されているように映ります。
  
否応なしに心を支配してしまいそうな
ネガティブな気持ちが、
気功に打ち込むことで
少しは減じられているのではないでしょうか。
  
そして、そのような心がもたらす効果は、
気功が体にもたらす効果より大きいのではないか、
という気さえするときがあります。
  
事実、気持ちが切り替わることで、
がんが好転するケースは多々あります。
  
こうした気持ちに加え、
死生観がうまく絡み合ったとき、
がん治療の好結果をもたらすのだと思います。
  
もちろん、私は自分の患者さんに対し、
院内での治療以外に
「こんなことをやりなさい」
といった言い方はしていません。
  
いつも話しているのは
「自分で希望を見出せるもの、
 信じられるものであるのなら、
 何でもやってみたらいいではないですか」
ということです。
  
患者さん自身の心に
希望を芽吹かせるものを
「科学的根拠がない」と切り捨てるのは、
心の力を無視した
医療者の傲慢・愚挙だとさえ思えるのです。
  
==============
当協会メールマガジン(無料)掲載の記事をご紹介させていただきました。
読者の方向けの特典や先行のご案内などもさせていただいております。
これまでに配信いたしましたバックナンバーもご覧いただけます。
よろしければ、下記の協会ホームページよりご登録くださいませ。

ホーム

特 集

イベント情報

お知らせ