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がん患者Q&A

2017年7月27日  投稿者:Simonton Japan


  
こんにちは。
認定トレーナーの川畑のぶこです。
本日はQ&Aをお届けします。
(「統合医療でがんに克つ」より転載)
  
Q:
母が7年前より乳がんを患い、波はあるものの、昨年まではなんとか
病状をコントロールしてきました。
ところが今年に入り、ガタガタと調子が崩れ始め、腫瘍マーカーも一気に上昇。
肝臓に複数の転移も見つかり、手術もできない状況です。
私としては、母は本来患者らしく休むべきなのに、仕事を休んだり
辞めたりしないどころか、治療費や家のローンのことなどがあり、
益々忙しくしています。
こういった状況がストレスで病状も悪化しているように思うので、
なんとかライフスタイルを改善して欲しいし、
願わくば仕事も休むか辞めて、今となっては母1人で住むには
大き過ぎる家も売って、生活を縮小して欲しいと思っています。
以前、このことを伝えましたが母は
「大丈夫」と言い張り、家も「大き過ぎるけれども売りたくない」
と言っています。
母に変化を起こさせるにはどうしたらよいのでしょうか。
  
A:
家族の苦悩を傍らで見るのは本当に辛いことです。
病気のことだけでなく、仕事や経済的なことで
苦労しているお母様に寄り添うことは心苦しいことと察します。
家族に対して気がかりなことを伝えるときに、
それがより伝わりやすくするアプローチというのがあります。
私たちは大きな病気など、人生を大きく左右する局面に接したとき
そのことが自分自身に起きていなくても相手が愛する者であれば、
同様にストレス下に陥っていきます。
すなわち、家族は第2の患者ともいえるわけで、
現に患者さんよりも調子が悪くなっていく家族というのを、
私自身も過去に多く見てきました。
自分も相手もストレス下にいるときというのは、
コミュニケーションもストレスフルなものになりがちです。
そしてストレス下からのコミュニケーションというのは相手に伝わりにくいものです。
多くの場合、愛する家族が病気になり、病状が良くないとき、
そして、本人の健康にとって良くないことをしているように
見えるときというのは、私たちは不安や恐怖からコミュニケーションをします。
当然の心理ではありますが、患者さん自身も病気や仕事や経済面のことなどに対して
不安や恐怖を持っているときに、周囲から不安の声を聞くというのは
さらにストレスが重なることになってしまいます。
不安からのコミュニケーションというのは、たとえば
「お母さん、そんなに働くと病気が悪化するよ。休まなきゃダメだよ」
というようなものです。
  
一見何ら問題がないコミュニケーションのように見えますが
ここには強い否定感があります。
「病気が悪くなる」とか
「~しなきゃダメ」といった、
否定的なトーンを複数含みます。
このようにコミュニケーションされたときに
「そうだ、それでは変化を起こそう」とはなかなかならず、
「ああ、そんな風になったら大変だ。どうしよう」とか
「私はダメだなぁ」
などと自分を責める状態になったり、
あるいは「そんなことないわよ!」
と過度に反発して自己防衛してきたりすることもあります。
こういった状態は更なるストレスを招いてしまいます。
不安からのコミュニケーションならまだしも、
時として怒りからコミュニケーションする人もいます。
言葉自体の内容は似たようなものですが、
トーンが強く、声を荒げて伝えようとする人もいます。
残念ながら、これらのコミュニケーションを
快く受け入れる人というのはそうそういません。
ご自身が同じような状況下に置かれたときに、
似たようなコミュニケーションをされたらどのように感じるかを
振り返ってみるといいかもしれません。
不安や恐怖は相手の不安や恐怖をあおる結果になりかねませんので、
そのようなコミュニケーションは十分に注意する必要があります。
また、相手にプレッシャーを与えたり、怒りなどで相手を脅すような
コミュニケーションは、その場しのぎ的に相手を思い通りに
動かすことはできるかもしれませんが、
相手が自発的に、また健全に継続可能な
ライフスタイルの変化を起こすためのモチベーションには繋がらないかもしれません。
人が変化を起こすときというのはモチベーションが必要となります。
すなわち前向きな「やる気」です。
  
周囲が言うからしぶしぶやるといった、
やらされ感からの変化ではなく、
自分がそうしたいからそうするという、自発性からの変化が必要です。
それでは、どのようなコミュニケーションが
相手を動かすのでしょうか。
  
答えは「愛」です。
愛あるコミュニケーションというのは、人を幸せな気分にさせますし、
そのようなコミュニケーションには人は耳を傾けるものです。
私たちは不安や恐怖、また怒りはたやすく表現する割に、
愛を表現することが少ないですし、
人によっては全くないということもあります。
すなわち、愛の表現には出し惜しみをするといえます。
治療やライフスタイルの変化を促すために、時間やエネルギーや
お金を使うことは惜しみませんが、愛を与えたり表現したりすることには
気前が悪いのです。
ところが、愛というのは最も大きな癒しのエネルギーです。
私自身は、患者さんやご家族を観察してきて、
愛は時として抗がん剤や放射線などのエネルギーより
よほど強いと考えています。
私たちはなぜ、家族の病気が悪化したときに、
不安や恐怖、
または怒りを抱くのかと言えば、
やはり愛に辿り着きます。
母親に元気で長生きして欲しいと願うのは、母親を愛しているからに
他ならないのではないでしょうか。
なのに、私たちは愛をスキップして、不安や恐怖ばかりを
コミュニケーションします。
これでは愛は伝わらないどころか、
相手に罪悪感や自責の念を強化することになってしまいかねませんので
注意が必要です。
愛から相手に気がかりを伝えるコミュニケーションとは、
たとえば次のようなものです。
  
「私はお母さんの子どもに生まれてきてとても幸せです。
 私はお母さんが大好きで一緒に元気で長生きして欲しいと
 心から願っています。
 なので、お母さんが苦しそうに仕事をしていたり、お金のことで
 苦しんでいるのを見るのはとても辛いです。
 できれば仕事を休んで欲しいし、
 可能ならばできる限りの支援はするので、
 辞めて欲しいとも思っています。
 家も、小さな家に引っ越すなどして
 楽に生活ができるようにして欲しい。
 思い出のある家だからという気持ちも
 あると思うけど、思い出は私たち
 家族みんなの心の中にきちんとしまってあるから。
 そして、今も大切な思い出をつくっているから。
 お母さんと一緒に幸せにいきたいです。」
  
どうでしょう?
同じ内容を伝えようとしていても、
全く違う質のコミュニケーションではないでしょうか。
そして、このようなコミュニケーション
そのものが癒しのエネルギーとなり、治療効果につながり得るのです。

─────────────────★
◆執筆者プロフィール◆
 川畑のぶこ(かわばたのぶこ)
(サイモントン療法
 認定トレーナー/トレーニングディレクター)
 家族と沖永良部島の海をこよなく愛す
 サイコセラピスト
 座右の銘:Breathe & Smile ♪
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